登山の時に、珍しい形の石やきれいな石を見つけたときに持って帰っていいのか考えたことはありませんか?
登った証や記念に持って帰りたくなる人もいると思います。
人に聞いたりインターネットで調べたりすると、多くは「持って帰ってはいけない」という答えが返ってきます。
感覚としてそれはが正しいことであるということはなんとなく分かるのですが、「絶対に持って帰ってはいけないの?」と聞かれたら明確に「ダメ」と言うことができるかというと怪しいです。
それでは何故、登山中に見つけた石を持って帰ってはいけないのかを調べてみました。
はじめに
山登りの有名な言葉に「とっていいのは写真だけ」という言葉があります。
元々は英語の「Take only photos, Leave only footprints」の前半部分を日本語訳した言葉です。(後半部分は「残していいのは足跡だけ」という意味です。
きれいな花などの植物や、食べられそうなキノコがあっても持ち帰らないのが基本です。
山の石を持って帰らない方がよい理由
自然公園法で禁止されている
自然公園法とは、環境省のホームページによると
この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする。
https://www.env.go.jp/nature/np/law/newlow_all.htm
となっています。
「公園」と言っていますが、いわゆるブランコなどの遊具が置いてあるような公園に限られません。
対象範囲は、国が定める「国立公園」「国定公園」そして各地域で定める「都道府県立自然公園」が対象となります。
例えば、東京都の定める都道府県立自然公園は、2021年現在で下記の地域が定められています。
- 東京都立滝山自然公園
- 東京都立高尾陣場自然公園
- 東京都立多摩丘陵自然公園
- 東京都立狭山自然公園
- 東京都立羽村草花丘陵自然公園
- 東京都立秋川丘陵自然公園
人気のある高尾山は、上記の内の「東京都立高尾陣場自然公園」のエリアに含まれています。
このように、大体の山は自然公園法の適用範囲になっています。
自然公園法では、風景保護の観点から、許可の無い植物の採取が禁止されており、石も同様に風景保護の観点から禁止されているようです。
オカルト的理由①
怖い話でよく「山の石を持って帰ってはいけない」というのも出てきます。
その理由は様々で、
- 墓石を砕いたものだから
- 石は怨念が宿りやすいから
これらは山に限った話ではなく、川や海でも同じ話が出てきますが、石を持ち帰ったことにより体調が悪くなったり不幸な出来事が起きたりといった怖い話がいっぱいあります。
個人的にちょっと怖いなと思った話が
山は他の山と高さを競い合っており、石を持っていくとその分低くなってしまうので山が怒って祟りにあう
と言う話です。(ネットで見た話だと思うのですが、この記事を書くために調べてみましたが出てきませんでした。そしてこうやって書くとそんなに怖くない・・・。)
結局は迷信の域を出ない話ですが、小さいころに親から言われた「夜に口笛を吹くと蛇が来る」というのに近い感じがしますね。
オカルト的理由②
登山中に「積み石」といって大小様々な大きさの石が絶妙なバランスで積み上げられているのを見たことはないでしょうか。
この積み石を見つけても、その石を持って帰るのは良くありません。
というか、持って帰らなくてもその場で積んである石を取るのも他の石を乗せるのも良くありません。
大きな理由は単純に「崩れて危ないから」です。
積み石については、別の記事でもう少し詳しく書いているのでよければ見てみてください。
この記事でも取り上げていますが、昔『地獄先生ぬ~べ~』で「賽の河原」の話がありました。
親より早く亡くなった子どもは賽の河原という所で、親を悲しませた罰として石を積み続けなくてはならない。 石が積み上げきる前に鬼がやってきて崩してしまうので一生積み上げ続けなければならない。
これもうろ覚えで申し訳ありませんが、こんな感じです。
私はこの話が印象に残っているのもあって、崩すとかわいそうな気がしてしまいます。
おわりに
以上の理由から、登山中に見つけた石は持って帰ってはいけません。
小さな石一つを持って帰っても影響は無いように思ってしまいますが、マナーを考える上では「他の人が全員同じようなことをしたらどうなるか」というのを考えるといいかもしれません。
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